クラウド型の宿泊管理システムとして昨年末にリリースしたStaysee。登録施設数が100施設を達成したということで、Staysee株式会社代表の前田と、開発および運営のアドバイザーとして協力されている海月館グループの加茂常務に同席していただきこの1年を振り返ってもらいました。
前田:
リリースしたのが昨年の12月だから早いものでもう1年になりますね。登録施設数が100施設になりました。主にゲストハウスや20室前後のホテル・旅館様からの引き合いが多く、1番大きなところでは120室規模の施設様にもご利用いただいてます。とてもありがたいです。三ヶ月無料キャンペーンを実施しているので売上的にはまだまだ厳しいですが(笑)
クラウド型の宿泊管理システムは他にも色々ありますが、Stayseeをご利用されているお客様からいただく評判は良好です。Stayseeは設計段階から海月館グループのノウハウを提供してもらって、温泉旅館という細かな情報を必要とする業態にも対応できるよう開発しています。シンプルに使えて且つ、食事や清掃の対応など必要な機能が揃っている。機能と価格のバランスの良さを評価いただいています。
Stayseeを実際使ってみてどうでしたか?
加茂:
ウチはこれまでの使っていたシステムがすこし古いモデルだったのでスピードが遅くて、それが改善されただけでも使いやすくなりました。大きな変化でいうと、クラサバ型(※)クライアントサーバーシステムのこと。情報や機能を集中的に担当する「サーバ」と利用者の操作するコンピュータ「クライアント」に役割を分け、これらをネットワークで接続しクライアントからの要求にサーバが応答する形式で処理をおこなう方式で同一ネットワークでしか使えなかったのが、クラウド型になってどこからでもアクセスできるので施設管理が非常に便利になりました。例えば、ある施設で満室の場合でもグループ内の違う施設へのご案内が円滑にできるので稼働率の向上に繋がるのは嬉しいですね。
ーー:
なるほど。そういったところが他のシステムとの差別化になっていて、登録施設数100施設に繋がっているわけですね。無料で使えるので利用してみたいという声も多いのではないでしょうか。
前田:
これまでの宿泊管理システムは何十万・何百万というコストで初期導入を行っていたと思うんですけど、StayseeはWebで完結するものを目指しています。ただ実際に可動し始めて「初期導入してほしい」という声も多数いただいています。海月館グループでWebコンサルの対応ができるグループ会社をお持ちだということなので、導入支援や営業代行のニーズはそちらにお願いしています。お客様先での雰囲気は加茂さんの方が詳しいと思います。
加茂:
そうですね。「とりあえず登録して触ってもらえる」ところは大きいとおもいます。結局試せるってところってなかなかないじゃないですか。ちゃんとしたサービスでもそれが本当に自分のところで使いやすいのかは、話を聞いてるだけじゃわからない部分もありますし。それで導入コストが100万って言われると二の足を踏んじゃうと思うんですよ。一度試せるのは大きいのかなと思います。
海月館グループの加茂常務
前田:
導入のためのツールも用意してますし、わからないところがあればお問い合わせも受け付けています。お気軽に連絡してもらえたらと思います
ーー:
ありがとうございます。では次にクラウド化というとセキュリティ面が気になる部分だと思うのですが、具体的な対策について教えてください
前田:
Webサービスを開発する上でおさえるべきセキュリティの対策はもちろん、SSLによる通信の暗号化、2段階認証機能とIP制限機能をご用意してますので不正アクセスへの対策は申し分ないと考えています。もちろん追加料金をいただくことなくどのプランでもお使いいただけます。少しでも安心していただければという思いからISMS(※)情報セキュリティマネジメントシステム:組織が保有する情報の機密性や完全性、可用性を維持し、リスクを適切に管理するための体系的な仕組みと活動の要件を規定する国際規格という情報セキリュティに関する国際規格を認証登録していますし、AWS(Amazon Web Services ※)Amazon.comにより全世界で18の地域に(2018年現在)提供されているクラウドコンピューティングサービス。大規模な処理能力のあるクラウドシステムを速やかに提供できるのパートナーシップにも認定されています。
ーー:
話は変わりますが、そもそもお二人はどういった経緯で知り合われたのでしょうか?Stayseeの立ち上げについて教えてください
前田:
共通の知人を介した会食の席で知り合いました。その席では加茂さんがギリギリにこられたのであまり時間がなかったのですが、インバウンドや民泊に関連したサービスを開発したいと思っていた時期なので、質問攻めしました(笑)
加茂:
そうそう、僕が遅れていったんですよね。普通に楽しく飲んでいて解散の直前に前田さんを紹介されたんですよね。いろいろ聞かれて何事かと思いました(笑)
ウチはグループで21施設運営しているんですが、ちょうどシステムの切り替えをしたいなとずっと思っていた時期で、色んなシステム会社さんにお話しを聞いたりしましたけど、納得がいかなくて。時代はすでにクラウドが主流になっていてタブレット化まで進んでいるのにも関わらず、クラサバ型(※)クライアントサーバーシステムのこと。情報や機能を集中的に担当する「サーバ」と利用者の操作するコンピュータ「クライアント」に役割を分け、これらをネットワークで接続しクライアントからの要求にサーバが応答する形式で処理をおこなう方式で利用制限があったり細かい開発を依頼してもなかなか動いてくれなかったりだとか、なんでこの業界の基幹システムって古いままなんだっていう。もっと自由度の高いシステムがほしいみたいなことを言ってたと思います。
前田:
その日はそのまま解散して、PMSの開発を決めた段階で正式に加茂さんに監修をお願いに行ったのですが、二つ返事で受けてくれたのでビックリしました。
ーー:
最後にStayseeのこれからについてお伺いできるでしょうか
加茂:
賃金の低い人をたくさん使う労働集約型のビジネスモデルの変換期がやってきていると思うんですよ。人件費は上がっていくし、人も採用しにくくなっている。単価もなかなか上がらない。それなら業界自体が働き方を変えていかないといけない。うちの会社でも一人あたりの売上や利益をいかに高めていくか、生産性の向上というのをずっと言っています。特に旅館業というのは、一人のお客様に対してたくさんの人間が関わるので、そこの意識というのがすごく薄くなってしまうんですよね。お客様がひとりあたり1万5千円で宿泊していただいたとして、その売上のいくらを自分が持っているのか?そういった数字をシステムを使ってきちんと出していけるようにアドバイスをしていけたらと思います。
前田:
清掃担当が楽になるような業務専用アプリ、チェックイン・チェックアウトを自動でできるようなシステムを2019年の上旬頃にリリースする予定です。AIや機械学習にも踏み込みたいと思っていたところなので、どのエリアのお客様がどこを経由してくるのか、どのあたりの年齢層が多いのかといった宿泊データを抽出してコンサルティングできるようなサービスも考えています。Stayseeのラインナップを増やして本業である「接客」という部分に注力してもらえるような仕組み作りをシステムで応援できればと思います。
加茂:
いいですね。タブレットでスマート認証や自動精算を導入できると面白いですね。僕らは業界自体がよくなって欲しいという思いもあるし、これからも引き続きノウハウを惜しみなく提供していきたいと思ってます。将来的にStayseeを介して僕らのノウハウをもっとたくさんの方に役立ててもらえたら嬉しいです。そのときはハワイで打ち上げでもしたいですね(笑)
- 加茂 大典 (かも・だいすけ)
常務取締役 ◆ 人材スカウト会社に新卒として入社。広告業界を中心としてヘッドハンティング業務を行う。
◆ 2008年 温泉旅館「海月館」の倒産を機に発足した、(株)かいげつに参画し旅館再生を手掛ける。
◆ 2011年 常務取締役に就任し、年間2~4件の宿泊施設買収・受託による再生を手掛け、
21施設の観光関連事業を展開する企業グループへ成長させる。
◆ 2017年 ステイシー(株)の開発・運用アドバイザーとして、stayseeの開発に協力する。
海月館グループ
https://kaigetsukan.com/
- 前田 益宏 (まえだ・ますひろ)
代表取締役 ◆ 大手メーカー系SI会社で自社セキュリティプロダクト開発に参画しプログラマとして歩み始める。
◆ ECサービス会社、Webサービス開発会社を経て、2014年にシステム開発会社スプラウト㈱を創業。
◆ 2017年7月にステイシー㈱を創業し、代表取締役を務める。
◆ 2017年12月に小規模宿泊施設向け宿泊管理サービス Staysee(ステイシー)のサービスを開始
小規模宿泊施設向け宿泊管理サービス Staysee
https://staysee.jp/
ステイシー株式会社
https://staysee.co.jp/
— 『おもてなし』に注力できる環境を!
趣味:旅、キャンプ、ドライブ
好きなコマンド:awk